AGAはある日を境に突然かかったり、あるいは急に症状がなくなったりという疾病ではありません。
「どうも最近地肌が透けてきた」「頭部への視線が気になる」「起きたら枕にたくさん毛が」多くの方はこのようなシグナルを日常の中でいくつか見かけるようになり、どこかで「自分はAGAじゃないか」と考え、医療機関などで診断を受けてようやく病識を持ちます。

そのくらいAGAの進行速度は緩やかであり、またこれがAGAの怖さでもあります。
ほぼすべての疾患と同じく、AGAも早期に発見して早期に治療・対処するほど治りも早く治療効果も高いのですが、気づくのに遅れるとその分対応も後手後手に回ってしまいます。
男性であれば誰でも可能性はありますから、30代40代に差し掛かったあたりで一度検査してみるのが良いでしょう。対策をとることで、10年後・20年後の毛量に格段の差が生まれるからです。

前述のようにAGAは進行速度が遅く、ぼろぼろと髪が抜けて行く病気ではありません。毛髪の寿命が短くなるという、わかりにくい症状です。とくに自分の頭髪は毎日眺めるものですからその変化に気づきにくいものです。
またAGAはその進行に個人差もあり、「1日何本減っていく」という基準はありませんが、年単位くらいのスパンで見ると確実に毛の密度が下がっていきます。
何より重要なのは、ゆっくりとでも止まらずに進行していくことです。気長な戦いになります。
30代の方なら10年後、あるいは20年後でもまだ4、50代。仕事も現役であり、同世代でツルツルな方はまだほとんどいないでしょう。老齢による脱毛が始まるまでは豊かな髪で若々しくいたいものです。
そのためAGAと診断された、あるいは疑いがあるときは、今から対策をとってAGAの進行を遅らせる努力をしましょう。

AGAのための治療薬は有名なものからジェネリックまでさまざまなものが出ています。ただ飲み続けなければならないので、「まだ薬はいいかな」という方なら生活習慣の見直しから始めると良いでしょう。
いつもの駅から一駅前で降りて歩くようにする、夜は一時間早寝する、お酒やタバコを控える、必要のないカラーリングをやめる等です。
ダイエットなどと同じくずっと続けることですから、負担にならない方法を選択する必要があります。これらはAGA以外にも生活習慣病や肥満に対しても効果的で、コストもかかりません。
じわじわと進行するAGAにはこちらもじっくりと腰を据えて向き合いましょう。

進行速度も違う?AGAと他要因の薄毛

薄毛の要因が男性ホルモンとは別にあり、AGAではない場合その進行速度はまちまちです。たとえばストレス等による自己免疫疾患である円形脱毛症。
この場合ゆっくりと進行するAGAとは異なり、リンパが自分の毛根を攻撃してしまうため、異常が発生した部位からは急速にごっそりと脱毛が生じ、一晩で地肌がむき出しになってしまうケースもあります。
また逆に免疫のプロセスが正常化すれば、ピタッと脱毛がおさまり、多くの場合自然にまた発毛してきます。

あるいはアトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎、軽いものでは冬の乾燥肌などがある場合、毛髪の土台となる頭皮自体がダメージを受けてしまいます。
脱毛が発生し結果として薄毛になりますが、この場合も薄毛の進行速度は皮膚炎の症状次第でとても早いものになります。元になっている皮膚トラブルが解消されれば脱毛も止まり、重篤なダメージが皮膚に残っていなければまた発毛してきます。

その他にもヘルメットや帽子、頭部アクセサリーで頭皮をこすりすぎていたり、成分の強いカラーリング剤で頭皮を痛めてしまっていたり、といったことで起きる薄毛も上記と同様、その刺激を取り除いてやれば進行は止まり、その後回復していきます。
AGAとは異なり5年後10年後に薄毛がどのくらい進行しているかは逆算しにくく、その時々の頭皮・体調次第と言えるでしょう。