AGA治療の始め方

プロペシア

テレビのコマーシャルなどメディアで繰り返し宣伝されているように、現在では病院で薄毛治療を受けることができる様になっています。
これは、2005年に男性の薄毛の大部分を占めているAGAに対して効果的なプロペシアという治療薬が厚生労働省から承認されて以降に本格的になったもので、既にスタートしてから10年以上が経過しています。
このAGA治療薬のプロペシアは内服タイプということから飲む育毛剤とも呼ばれていますが、元々は前立腺肥大症を改善するために用いられていたフィナステリドという成分の1mg錠で、頭皮や毛根に対して直接的に効果を発揮するわけではありません。

作用機序は、生え際から頭頂部にかけての毛根内部に存在している2型5-α還元酵素の活性を阻害するという内容です。
ところが髪の毛に対して作用しないにも関わらず厚生労働省が1年間かけて行った臨床試験では、被験者の58パーセントに軽度改善以上、98パーセントに不変以上の効果が確認されています。
これはプロペシアにより活性を阻害する2型5-α還元酵素は、AGAの原因物質DHTの生産に関与しているからで、根本的な原因が改善されるためです。
具体的に言うと、DHTが生え際から頭頂部にかけての毛根内部の毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合することにより、脱毛因子のトランスフォーミング増殖因子(TGF-β)を誘導します。
これによりヘアサイクルにおける成長期が著しく短縮されてしまうので、髪の毛は十分に成長することなく抜けてしまうようになります。
これが、AGAにより薄毛が進行する理由で、M字ハゲや河童ハゲと表現されるように生え際から頭頂部までの部分に集中して発症します。

AGAの日本人男性における発症頻度は約30パーセントと報告されています。つまり、発症しない人の方が多いということで、薄毛になってしまう人は少数ということになります。
それだけに目立ってしまい、特に20代前半で進行したような場合は周りにはほとんどいないためにこの傾向は特に顕著となります。
ちなみに、このように発症する人としない人に分かれてしまうのは、X染色体上に存在している男性ホルモンレセプター遺伝子の多型や常染色体の3q26などの遺伝的な要因です。
医療機関でAGA治療をスタートする際には、問診により家族歴や脱毛の経過などを調査し、生え際から頭頂部までの髪の毛が薄毛になっていることを確認します。
これは、プロペシアは他の脱毛症に対しては有効ではないので、治療を開始する前にAGAであることを確認しなくてはならないからです。

また、クリニックによっては視診や問診と共に遺伝子検査を行う場合もあります。この検査は、男性ホルモン受容体遺伝子の塩基配列を調べるという内容で、基準値よりも高ければ発症リスクが高くなると考えられています。
このように、AGAであることを入念に確認した後に、プロペシアを処方するというのが現在のAGA治療の基本的な始め方で、経過を観察しながら調節していくという流れとなります。

AGAの治療費相場

治療費

AGAは、基本的には生理的な現象の一種で、健康に対して悪影響を及ぼす心配はありません。
これは、髪の毛がほとんどなくなるまで薄毛が進行している高齢者でも、健康的に過ごしているケースが少なくないということが証明しています。
しかし、髪の毛はライオンでいうと鬣の様な役割を果たしており、有るのと無いのとでは見た目の印象は大きく変わってしまいます。
特に若い年齢で進行した場合は社会的な影響を強く受けてしまうので、性格を変えるほどのダメージを受けることも充分に考えられます。

AGA治療が本格的にスタートした理由は、このような精神的なダメージを軽減するためですが、身体的な健康に対しては直接的な効果はありません。このために、健康保険が適用されない自由診療に分類されており、治療費は全額負担となります。
ちなみに、AGA治療の治療費は、診察費とAGA治療薬のプロペシアの費用を合計したものです。
診察費は1,000円~2,000円、プロペシアは6,000円~8,000円が大体の相場となるので、1か月にかかるAGAの治療費は7,000円~10,000円程度ということになります。
つまり、1年間で100,000円を超えてしまうケースもあるということです。
しかも、現在のAGA治療は根治を目的としたものではなく、進行を食い止めるという段階にとどまっています。
何故なら、AGA治療薬のプロペシアの効果は2型5-α還元酵素の活性を阻害するというだけで、服用を中止すると原因物質のDHTの生産は以前の状態に戻ってしまい薄毛が進行することになります。
このために、薄毛が受け入れられるようにならない限りは、AGA治療を続けなくてはなりません。
つまり、1年間で100,000円以上かかるケースもあるAGAの治療費は、これだけでは済まないということです。たとえば、5年続けた場合は500,000円、10年間続けた場合は1,000,000円になってしまいます。

さらに、日本人男性の場合はAGAが著名となるのは、20歳代の後半から30歳代にかけての時期が一般的です。
このような若い時期に治療をスタートした場合は、5年や10年であきらめが付くとは限らないので、20年や30年という長期間に及ぶ可能性もあります。すると、AGA治療にかかる治療費が高級車並みの金額になることも起こり得ます。

また、イギリスの有名サッカー選手が2度にわたる手術を受けたことで知られる自毛植毛も、効果的なAGA治療と知られています。
こちらの方法は、AGA治療薬によるものとは違い、何年も治療費を払い続けなくてはならないという内容ではありません。
何故なら、毛根が定着して以降のメンテナンスは必要ないので、治療費は手術代のみとなります。
しかし、こちらの場合でもAGA治療薬を使用した時と同様に、健康保険は適用されないので治療費は全額自己負担です。
薄毛の進行具合によって治療費は違ってきますが、1回当たり1,000,000円~2,000,000円が相場で、先ほど紹介した有名サッカー選手の場合は2回の合計で3,000,000円~4,000,000円と言われています。

賢いAGA治療法がある?

健康保険が適用されない自由診療に分類されるということで、AGA対策にかかる治療費はかなりの金額になってしまいます。このために、若い世代にとっては気軽に始められるようなものではないというイメージが持たれがちです。
しかし、負担を減らす方法がないわけではありません。
それは、AGA治療薬のプロペシアは2005年に厚生労働省に承認されてから10年が経過したので、国内での薬品特許が既に切れており、ジェネリック医薬品が提供されているからです。
このジェネリック医薬品とは、他のメーカーが同じ主成分を配合して製造するものです。製造方法や添加物には違いがあるので先行医薬品と同じ薬というわけではありませんが、適応症に対しては同様の効果を期待できます。

ちなみに、AGA治療薬のプロペシアのジェネリックは、「SAWAI」・「ファイザー」・「トーワ」などの種類が販売されています。
いずれも6,000円~8,000円が相場のプロペシアよりもかなり低価格で、4,000円~5,000円で購入することが出来ます。このために、プロペシアからこれらのジェネリックに変えることにより、1年間で数万円程度負担を少なくすることが出来ます。
さらに、フィリピンやインドの製薬メーカーが開発しているプロペシアのジェネリックであれば、さらに低価格で購入することが出来ます。

最も安いジェネリックであれば、100錠を2,000円代で提供しているので、年間にかかる治療費は数千円程度で済みます。
これらも国内で承認されているジェネリックと同様に主成分はプロペシアと同じフィナステリド(finasteride)であり、AGAに対して期待できる効果は同じです。
なお、このような低価格のAGA治療薬を入手する方法は、メーカーから直接輸入するか個人輸入代行業者を利用するかのいずれかとなります。いずれも自己責任であり、リスクを伴うというのが一番の問題です。
一応、成分鑑定は行われているので偽薬をつかまされることはないと思われますが、医師の管理のもとでの服用ではないので、健康被害が発生した場合にどうするのかについては事前に対策を立てておかなくてはなりません。
このために、AGA治療薬のジェネリックを使用する方法は、一見すると賢いAGA治療法のように見えますが、リスクを伴うということを考え合わせると、積極的にオススメできるという内容ではありません。
何故なら、まずは健康が第一であり、薄毛を改善するのと引き換えに病気になったのでは何もならないからです。

つまり、現在のところ賢い治療法として最もオススメできるのは、国内で処方されているAGA治療薬プロペシアのジェネリック「SAWAI」や「ファイザー」、「トーワ」を使用する方法で、節約できるのは1年間で数万円程度です。
これでもかなり負担は軽くなりますが、20年や30年という長期化した場合は、1,000,000円を超えてしまうことになります。
このために、大きな負担を受けてしまうという点ではプロペシアの場合と同じで、経済的な余裕があることが条件となります。

AGA治療費を確定申告で医療費控除する

確定申告

1年間で少なくとも数万円は必要となることから、安全なAGA治療を受けるためにはある程度の経済的な余裕が必要となります。
しかし、経済的に余裕が出来てから治療を受けたのでは間に合わなくなるというケースも起こり得ます。

AGAは、テストステロンの分泌量が急増する思春期以降に徐々に進行するという症状で、10代で薄毛になるケースもないわけではありません。
ただし、国内では20歳以上に対してしか臨床試験を実施していないので未成年者に対しての処方は行われていません。
なお、AGAの原因物質のDHTはヘアサイクルを狂わせると共に皮脂の分泌量を過剰化するという作用を発揮します。これにより、毛根は塞がれてしまい、徐々に機能を喪失することになります。
毛根が機能しなくなるとまともな髪の毛は生えなくなるので、いわゆるハゲと呼ばれる状態となります。

これに対して、AGA治療薬は毛根の機能を回復させるような作用はないので、ハゲてしまってから元の状態に戻すことは出来ません。
一人ひとり進行のスピードには違いがあるので、厳密に規定することは出来ませんが、AGAが発症してから5年~10年が経過するまでに使用しなくては回復させるのは難しいと言われています。
このために、発症が早い場合は20歳前半にはAGA治療薬を使用していなくてはならないということです。この時期に髪の毛に対して年間数万円かけられる余裕がなくてはならないというのは、かなり酷です。
ただし、経済的に余裕がない場合にはAGA治療を絶対に受けられないというわけではありません。それは、確定申告の際に医療費控除の還付金を受け取れるケースがあるからです。

以前は、AGA治療の様な美容目的のものは医療費控除の対象からは外れていたのですが、近年は受けられるケースが増えてきたと報告されているので、確定申告の時にはチャレンジするだけの十分な値打ちがあります。
それでは、AGA治療の確定申告で医療費控除を受けるために何が必要かというと、診察費や治療費、治療薬、交通費などの1年間の領収書です。
この合計が100,000円を超えていることが、確定申告で医療費控除を受けられる条件となるので、プロペシアを処方されている場合の方が承認される確率が高くなるかもしれません。

また、確定申告で医療費控除を受ける際に領収書と共に診断書も提出するのが適当です。これは、税務署や税務署員に病気の治療であるということを強く印象付けるためで、確定申告で医療費控除が受けられる確率を高めることにつながるからです。
さらに、イメージを強く植え付けるという点で有効なのが、AGA治療薬の処方箋を医療費控除の確定申告する際に提出するということです。
ただし、厚生労働省から承認されていない薬の場合は、確定申告で医療費控除を受ける可能性を高めることにはならないかもしれません。
このために、医療費控除の確定申告する際に提出する処方箋は、AGA治療薬のプロペシア、又は国内で承認されているジェネリックのものということになります。
ちなみに、AGAの治療費の医療費控除を確定申告する際には、事前に税理士などに相談しておくのが適当です。しっかりとした知識を身に付けてから申請することにより、承認される可能性は高くなります。